珠温みほ– Author –
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自顕の匣
【灯】
あなたの中で、今も静かに灯り続けているものは何ですか。 -
打ち水
書けなかった欄
履歴書には、書ける欄が決まっている名前、学歴、資格、職歴書けなかったことの方がその人の大半なのに 竹は、はじめの数年、地上に出ない土の中で、ただ根を張っている外から見れば、何もしていない年月それを空白と呼ぶ人はいない 誰かの話を最後まで聞... -
打ち水
灯台
灯台は、海を照らしていない届くのは、せいぜい足元の岩まで沖の暗さは、暗いまま残る それでも灯台は、そこにいる海を明るくするはたらきではなくここに岩がある、とだけ告げるはたらき どうにもならないものの前で人にできることは、案外それに似ている... -
打ち水
夜のものさし
夜中に書いた手紙は朝に読むと、別のものになっている書き直したくなるのは朝の自分が正しいからではなく夜には夜の、ものさしがあるからだ 夜は、音が大きく聞こえる冷蔵庫のうなり、時計の針昼間は消えていたものが順番に、前へ出てくる あの日の言葉が... -
未分類
在ったことの、かたち
引っ越した部屋で何もない壁に、日焼けの跡が残っていたそこに長く、何かが掛かっていた形のまま 失くしたあとは空っぽになったのではなくその形に、開いている 湯呑みが一つ減った食器棚返事のない方へ、話しかけそうになる口癖は、消えた後も、しばらく... -
打ち水
こちら側に存るということ
湯呑みを持つと、手が温まる。それだけのことが、画面の中では起きない。 言葉なら、向こうの方が速い。正しさなら、向こうの方が多い。比べる場所を間違えなければ、それは怖い話ではない。 こちらには、朝の喉の渇きがある。階段を上れば、息が切れる。... -
産巣琵の真理
運び
蓮は、朝のあいだしか開かない。その短いひらきの中へ、蜂が来る。 後ろ脚に、橙色の小さな団子。花々をめぐって集めた花粉。蜂はそれを食べない。これから巣で育つ命の糧になる。 蜂は、はこぼうとしていない。目の前の蜜を、集めているだけ。そのあいだ... -
自顕の匣
【澄】
あなたの内側は、今、どれくらい澄んでいますか。 -
自顕の匣
「鋭」
あなたには、譲れないものがありますか? -
自顕の匣
「根」
あなたを、今日も静かに支えているものは何ですか?
