夜のものさし

夜中に書いた手紙は
朝に読むと、別のものになっている
書き直したくなるのは
朝の自分が正しいからではなく
夜には夜の、ものさしがあるからだ

夜は、音が大きく聞こえる
冷蔵庫のうなり、時計の針
昼間は消えていたものが
順番に、前へ出てくる

あの日の言葉が、繰り返されるのも
たぶん、同じ並びの中にいる
昼間は後ろにいたものが
静かになった分だけ、前へ来る

大きく聞こえることと
大きいことは、違う

夜のものさしで測ったものは
朝が、もう一度測り直してくれる

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