見上げた天井

会議室の椅子は
いつも同じ硬さで並んでいる。

「大丈夫です」と微笑み
声の高さは昨日と同じだった

天井を、一度だけ見上げた

水の雫が
何百年もかけて石になっていく鍾乳洞

一滴の重さは、誰にも量れない
洞窟の奥は、いつも同じ暗さのままだ

誰にも見せない場所で
積もっているものがある

鍾乳石は、伸びたことに気づかれないまま
今日も、天井から少しだけ近づいている

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