一、雲の如き因縁の真実

本来の「因縁」という真理を、大宇宙の秩序(むすび)において紐解く。「因」とは、自らの内にある生命の種。「縁」とは、それを取り巻く光や水、大地や風という、天地の条件。これらが刹那に結び合う(むすぶ)ことによって、いま目の前の現象という果実が生まれる。

雲で例えるなら、水蒸気という「因」に、気流や温度という「縁」が作用して、たまたま今その形を結んでいるに過ぎない。風が吹き、条件が移り変われば、雲はたちまち形を変え、やがて雨となって大地へ還っていく。

つまり、宇宙の法が示す「因縁」とは、私たちを縛る重き鎖ではない。はじめからガチガチに固まった実体などは何一つなく、すべての生命は天地の巡りと条件によって、常にサラサラと形を変え、生成流転し続けているという、大いなる調和そのものなのである。